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観了 : 『さらば箱舟』 – 寺山修司

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はじめに

靴は米を炊くものではない。外に出るときに履くものである。

雑食青年です。ついに初めての映画感想となりました!

『さらば箱舟』

監督: 寺山修司

原作: ガブリエル・ガルシア=マルケス 『百年の孤独

作製国: 日本

公開年: 1982年

上映時間: 127分

あらすじ (ネタバレあり)

百年の孤独』はこの一文から始まりました。

長い歳月が流れて銃殺隊の前に立つはめになっ時、恐らくアウレリャノ・ブエンディア大佐は、父親のお供をして初めて氷というものを見た、あの遠い日の午後を思いだしたにちがいない。

『さらば箱舟』は大作が時計を埋めるシーンから始まります。

 

※ここからネタバレあり

 

登場人物

中心人物

時任捨吉 … 旅芸人との間に生まれた時任分家の男。スエのいとこで、スエと結婚する。

時任スエ … 捨吉の従兄弟で、捨吉と結婚する。父にカニの形の貞操帯を付けられる。

時任大作 … 時任本家の跡取り。

ツバナ … 大作の父の双子の娘と名乗り、ダイを連れて時任本家にやってくる。

ダイ … 大作の父の双子の息子と名乗り、ツバナと一緒に時任本家にやってくる。

 

一応『百年の孤独』で例えると、、、

時任捨吉 … ホセ・アルカディオ・ブエンティアとアウレリャノ・バビロニアの両方を足した感じ。

時任スエ …アマランタ・ウルスラ相当。

時任大作 … プルデンシオ・アギラル相当。

ツバナ … レベーカ相当。南無阿弥陀仏と言いながら土を食べる。

ダイ … レベーカの弟相当。南無阿弥陀仏と言いながら土を食べる。

 

その他の人物

テマリ … 大作の家(時任本家)の女中。

鋳掛屋 … メルキアデス的立ち位置っぽいがそこまで物語に関わらない。

時人米太郎 … 時任家の分家の男。特に何もしない。

 

第1部 捨吉、大作刺す

子供時代の時任大作が、老人と一緒に村中の時計を盗み、砂浜に埋める。

数十年後、捨吉とスエは結婚するが、村には近親相姦によって「犬の顔と豚のしっぽ」を持った子供が生まれると言い伝えられている。スエの父はこの掟を破らないようにと、スエに蟹の形をした貞操帯を付けている。

犬でも構わん!生まれたら2人でそでたらよか!

分家の米太郎が本家から金を盗んで逃亡するが、大作は気にしない。

スエがいつまでも妊娠しないことから、村人は大吉を「不能」と馬鹿にする。ある日、軍鶏で捨吉に負けた大作は悔しさから、捨吉を「不能」と馬鹿にする。怒った捨吉は大作を包丁で刺殺してしまう。捨吉はスエを連れて、村から出て、三日三晩歩き続けてたどり着いた空き家で寝る。しかし、目覚めると元いた村の自宅で寝ていたことに気づく。

そして、捨吉に大作の亡霊が付きまとうようになる。

 

第2部 捨吉狂う

大作の亡霊に付きまとわれる捨吉は、気が狂い始め、徐々に物の名前を覚えられなくなり始め、すべてのものに名前を書いた紙を貼り付ける。しかし、今度は物の使い方も忘れ始める。

(『百年の孤独』の有名なシーンですよね。)

そして、靴で米を炊き始める。名シーン。

靴は米を炊くものではない。外に出る時に履くものである。

と、大作に教えてもらう。

 

第3部 ツバナがやって来る、捨吉死す

大作の父の双子の娘と名乗るツバナという娘が弟ダイを連れてやってくる。彼女らは時人本家の跡取りを主張して、本家に住み着く。ある日、冥界に繋がる穴にダイが落ちると、青年になって穴から戻ってくる。青年ダイはテマリを姦し、テマリは子供を身籠もる。

ある日、鋳掛屋が時計を売りに村へやって来る。

時計があれば誰でも日を進めることも戻すこともできる

と言われたスエは時計を買うが、時計を持つことは本家の特権という村人は捨吉の家の時計を壊そうとする。

暴動の中で、捨吉は頭を殴られ死に、その夜スエの貞操帯が突然外れる。

 

第3部 カオス、寺山修司の映像挑戦、ラスト

村に、電話を始めとした文明が流入し始め、村人が村を去り始める。ダイとテマリも村を去る。

分家の米太郎が村に帰ってくる。本家の壁から、大量の金貨を見つけ、作男が村中に言いふらしにいくが、村には誰もいない。

寺山修司の前衛的な映像がいろいろ始まる。パペットマペットと白粉男の儀式。

百年後、鋳掛屋が三脚付きのカメラを構え始め、かつての村人が集まって来る。

 

~fin~

 

感想

魔術的リアリズムを見事に映像にした圧巻の2時間。靴で炊く米を見るために、一度は見るべき作品。

あと、

貞操帯、外してくだせぇ!

って言うスエの満面の笑みを一度見るべき。

ただ、パペットマペット儀式は、魔術的リアリズムから離れすぎていて、ガルシア・マルケスが怒ったのもちょっとわかった気がした…

 

雑食青年

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